コードやスケールの度数表記 〜初級編〜 でも述べた通り、度数は本来「2音間の距離(=音程)」の表記の仕方で、基本的には低い方の音を基準としてその音から見た高い方の音の位置を示します。この記事で例として載せている円形モデルの1度~7度は、ド(C)を基準とし、各音のドから見た位置を示している、ということですね。ギターを弾く上で度数を扱うのは、所定キーにおけるトニックやコードのルート音を基準音とする場合がほとんどです。
ここでは単に2つの音を与えられたとき、その2音の距離、すなわち度数が何度になっているかを判断する方法について書いていきます。
度数の付け方はいろいろなサイトで記述されていますが、初心の方にはイマイチ難しいように感じたので、フローに沿うだけでシステマチックに判断できるように書いてみます。
ここで記述する度数の付け方は、#♭がつく場合つかない場合に限らず、またキーやコードの度数表記など、どんなケースでも対応できると思います。やや複雑な内容に見えますが、順序通りにおさえていけばそれほど難解でないと思います。是非ご参考に!
■度数表記の構造
度数の付け方を学ぶ前に、度数表記の構造を確認しておきましょう。下に度数表記の一例を示します。
度数表記は、接頭部と数字部から構成されています。
※ちなみに「接頭部」と「数字部」という言葉はたった今、田端が勝手に考えました。笑
◯接頭部
この部分は、
長、短、増、減、完全、
などの言葉が入ります。
◯数字部
この部分は数が入ります。
■完全系と長短系
接頭部は完全という言葉が使われるものと長短という言葉が使われるものがあります。
完全系…1,4,5,8度
長短系…2,3,6,7度
完全系は、
完全位置より半音高い位置は増、完全位置より半音低い位置は減、がつきます。
長短系は、
長位置より半音高い位置は増、短位置より半音低い位置は減、がつきます。
以上を図にまとめてみます。
ドを基準(±0)とするとドレミファソラシドはすべて完全、もしくは長のつく位置となります。#や♭の付く12音階をすべて網羅するには、この接頭語が必要になるわけですね。「完全」や「長」は省略される場合があります。
■度数の付け方のフロー
①数字部の決定
→2音それぞれから#♭を除き白鍵上の距離から数字部を決める。
②接頭部の決定
→2音の音の高さの距離から接頭部を決める。
度数の付け方は、以上の①②の順で進めます。それぞれを個別に説明していきます。
①数字部の決定
数字部分は「対象となる2音それぞれに付いている#♭を除き、低い方の音を1とすると高い方の音が白鍵いくつ目の位置にいるか」で決めます。
例1:ド ミ♭
まずは、2音それぞれから#♭を除くと、ドとミ。
低い方の音ドを1とすると、ミの音は白鍵3つ目の位置にいます。よって数字部分は3になります。
例2:ラ レ#
それぞれ#♭を除くと、ラとレ。
ラを1とするとレは4つ目なので、数字部分は4になります。
②接頭部の決定
接頭語部分は、①で決めた数字部と、2音の音の高さの距離から、以下の表を見て接頭部を決めます。
例1:ド ミ♭
ドから見てミ♭は半音3つ分上になります。①では3度としたので、それを踏まえて表を見ると短3度となります。
例2:ラ レ#
ラから見てレ#は半音6つ分上になります。①では4度としたので、表を見ると増4度となります。
■音の高さが同じでも度数が異なるケース
先ほどの表を見ると、音の高さが同じでも度数表記が変わるケースがあることがわかります。例えば、レ#とミ♭は音高上は同じですが、度数表記の上では異なります。
低い方の音をドとすると、
レ#…増2度
ミ♭…短3度
となります。
●度数は2音間の距離を示すもので、低い方の音から見た高い方の音の位置を示す。
●同じ音高でも度数表記が変わるケースがある。(ex. レ# ミ♭)
●完全系…1,4,5,8度、長短系…2,3,6,7度
●完全や長は省略されることが多い。
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