ローコード、ハイコードとは?【特徴と使い分け】

ギターコードはローコードとハイコードの2つがあります。この記事ではローコードとハイコードそれぞれの意味、違い、特徴、メリットやデメリット、使い分けの観点などを解説していきます。

■ローコードとハイコードの違い

ローコードとハイコードの違いは以下のようになります。

ローコード… 開放弦を含むコード
ハイコード… 開放弦を含まないコード

ちなみに「開放弦」とは、なにも押さえずに鳴らす弦のことを指します。言葉の意味合いは場合によって微妙なニュアンスの違いがありますが、詳しくは以下に解説していきます。

 

まずはローコードとハイコードの例を見てみましょう。Cコードを例にコードダイヤグラム図を並べてみます。

ローコードはコード表などでよく見る押さえ方ですね。1弦と3弦が開放弦になっています。ハイコードは2パターン載せていますが、どちらも開放弦がない形になっています。



■オープンコード

オープンコードというコードがありますが、これもまた開放弦を含むコードを指します。意味合いとしてはローコードとオープンコードは同じと考えていいでしょう。

ただ実際にはローコードという言葉は、ローポジションのコードという雰囲気で使われているケースが多いようです。ハイポジションで開放弦を含むコードに対しては、あまりローコードと呼ばれていないようです。一方、オープンコードに関しては、実際にも開放弦を含むという部分にフォーカスした呼び名のように感じます。

■バレーコード

バレーコードというコードがありますが、これはその名の通りバレー(セーハ)を含むコードを指します。バレーまたはセーハとは、一本の指で同フレット上の複数の弦を同時に押弦する奏法のことで、例えばFコードの人差し指のように指を寝かせた押さえ方です。ちなみにバレーは英語、セーハはスペイン語になります。

開放弦を含まないコードは、ハイポジションかつバレーコードであるケースが多く、ハイコード≒バレーコード、と捉えていてよいと思います。

■ローコードのメリット

ローコードの方が押さえやすい
ローコードハイコードの違いで最も注目すべきなのが「押さえやすさ」。ハイコードはバレーコードとなるケースがほとんどなので、弦を押さえる手の負担は大きくなります。特にアコギの場合、1曲まるまるハイコードが並ぶと握力を奪われそうです。笑

ローコードの方がコードチェンジがスムーズ
コードの押さえやすいこともありますが、もう一つは開放弦が入っているため、コードチェンジの際に音が途切れにくいです。ハイコードではコードチェンジを上手く行わないと音が途切れてしまいやすいので注意が必要です。

ローコードの方がコード装飾音を入れやすい
弦を押さえている指、押さえてない指の拘束が比較的小さいため、それらを動かすことで音の変化を作ることができます。言葉だと伝わりにくいですが、例えばローコードの弦を押さえている指であれば、ハンマリング&プリングでコードの動きをつけることが容易ですが、ハイコードではその変化の自由度が小さくなります。

■ハイコードのメリット

ハイコードの方がカッティングプレーがしやすい
ハイコードの場合、弦を押さえている指を緩めるだけですべての弦がミュート状態になるので、カッティングの刻みを効かせたプレーなどは比較的楽になります。ハイコードはコードチェンジの際に音が途切れやすいですが、逆に捉えるとミュートしやすいということになります。

ハイコードの方がキーの微調整に対応しやすい
演奏キーを上下に上げ下げする場合、ハイコードだとポジションを平行移動するだけで楽に対応できることがあります。コードの持つ響きも大きく変わりません。ローコードの場合は、ポジションがガラッと変わり、音の印象も大きく変わりやすいです。

■その他の特徴の比較

和音の響き
ハイコードはハイポジションになりやすいので、全体的に音が高くポップな響きになりやすいです。またサウンドの中で比較的に主張が強く、厚い響きになる印象です。一方ローコードは、あっさりとした響きでバンドサウンドに溶けやすい音になります。和音の響きとしてどちらを選ぶかはプレイヤーのセンスになってきます。

アコギとエレキ
アコギはローコード、エレキはハイコードが比較的使われやすいイメージがあります。ここまでに記載したような特徴が総合的に関わっている結果だと思われます。

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