4-1-2. +3と-3の転調

平行移動系の転調を除くと、今回紹介する+3, -3の転調」が最も頻度高く現れます。転調の際に、好きなキーに飛び移ることができれば作曲者としては一番良いのですが、なかなかそう上手くいかないものです。そんな中、+3-3の転調は、転調元のキーと転調先のキーの相性が良く、比較的自然に転調しやすい関係にあります。

転調のメリットとして、ボーカルの音域を調整できるということは4-1の記事で記述しました。AメロBメロ等の流れを受けて、そのまま盛り上がってサビへ入るとメロディが高くなりがちなので、-3の転調でメロディの高さを上手くコントロールしているようなケースも多く見受けられるように思います。

実使用例をいくつか紹介します。

■Lady Madonna/The Beatles

【YouTube】Lady Madonna/The Beatles

この曲はAメロとBメロを繰り返す構成になっていますが、
AメロはキーABメロはキーCとなっています。

●Aメロ(0:10あたり~)
キー:A
A DA DA DF G AA DA DA DF G A

●Bメロ(0:27あたり~)
キー:C
DmGCAm7DmGC Bm7Esus4 E

 

Aメロ→Bメロは、+3の転調です。+3の転調では、転調先のⅣに唐突に飛ぶケースが多いです。この曲ではⅡm(Dm)になっていますが、Ⅳの類似系です。

Bメロ→Aメロは、-3の転調です。-3の転調では転調先のⅤ(転調元のⅢ)を経由して転調することが多いです。上記のEがそれにあたります。

■奏/スキマスイッチ

【YouTube】奏/スキマスイッチ

この曲は冒頭からキーB♭で始まりますが、間奏明けのBメロ途中でキーD♭へ転調し、ラストのサビへ入ります。簡略化のため1カポでコード表記します。

●Bメロ(3:16あたり~)
キー:B♭→D♭
1カポのためキーA→Cで表記

DE/DC#m7 C#7F#mF GEm AmDm EmF GG Esus4 E

ラストサビ(3:47あたり~)
キー:D♭
1カポのためキーCで表記

FM7Em AmFM7 EAmFM7 G/FEm AmDm EmF G

Bメロ途中での+3の転調は、Lady Madonnaの部分で書いたように、転調先のⅣに唐突に飛ぶ形です。Fコードがそれにあたります。割愛しますが、この曲、実は間奏中にも部分的に転調しているようなコード運びになります。Bメロに入るときには元のキーに戻っていますが、なかなか自然な戻り方で、コード運びとしてもドラマチックです。

■輝く月のように/Superfly

【YouTube】輝く月のように/Superfly

イントロはキーAで始まり、Aメロに入るタイミングでキーCに転調。BメロもキーCで進み、サビで再度キーAに戻ります。Bメロサビの転調にフォーカスしてみます。

●Bメロ(1:22あたり~)
キー:C
G CG E/G# Am Am7/GF C/ED D/CG Esus4 E

サビ(1:38あたり~)
キー:A
A C#7F#m ED A/C#B7 EA C#7F#m ED A/C#B7 E

Bメロサビは、-3の転調です。Lady Madonnaの部分で書いたのと同様に、転調先のⅤ(転調元のⅢ)を経由して転調しています。Eコードがそれにあたります。

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