ここでは、F-F#dim-G-G#dimというコード進行についてです。度数表記では、Ⅳ-#Ⅳdim-Ⅴ-#Ⅴdimですね。
見ての通りにベース音が半音ずつ上がっていく進行で、クリシェのような印象を受けます。
使用箇所としては、Bメロのような、次の展開を予感させるような場面で使われることが多いです。
■パッシングディミニッシュ
ⅣとⅤはダイアトニックコードですが、それらの間の経路として#Ⅳdimと#Ⅴdimが配置されています。いわゆるパッシングディミニッシュと呼ばれる使用法です。
Ⅳ→#Ⅳdimと、Ⅴ→#Ⅴdimは、それぞれベース音のみを変えるという感覚に近いかもしれません。
■コード表記の類似系
#Ⅳdimと#Ⅴdim、それぞれのルート音である#Ⅳ、#Ⅴが経過音としての特徴的な音となっており、それらを含むⅡ7、Ⅲ7を用いて、Ⅳ-Ⅱ7-Ⅴ-Ⅲ7のような進行となるケースもあります。こちらは表題のコード進行の類似系と捉えて良いでしょう。
では実際の使用例を紹介します!
■透明人間/東京事変
出現箇所はBメロ、以下のような進行です。
Key:Dメジャーキー
出現箇所:0:45〜(歌詞:秘密も愉しいけれど〜)
コード進行:
|G|G#dim|A|A#dim|Bm7|A|G…
サビ前の助走として効果的に使われています。#Ⅴdimのあとはそのまま自然な流れでⅥmまで上がります。
■Blurry Eyes/L’Arc〜en〜Ciel
【YouTube】Blurry Eyes/L’Arc〜en〜Ciel
出現箇所はBメロ、以下のような進行です。
Key:Dメジャーキー
出現箇所:0:55〜(歌詞:変わらない予感は〜)
コード進行:
|G|G|F#|F#|G|G|F#|F#|
|G|G#dim|A|A#dim|D…
こちらは一度Aメロに戻り、2周目でサビへと接続します。