ギターコードのsus2(サスツー)、そしてそれによく似たコードであるadd9(アドナインス)。この2つのコードは非常に似ていますが、どういった違いがあるのか、解説していきます。
■sus2コードとは?
susは英単語「suspended」に由来しています。メジャーコードは、完全1度(Root)、長3度(3rd)、完全5度(5th)の和音になりますが、この長3度を全音下に移動させ長2度(2nd)の音にしたものがsus2コードです。
メジャーコード… Root+3rd+5th
sus2コード… Root+2nd+5th
■sus2とadd9の違いは?
addは追加するという意味。メジャーコード(Root、3rd、5th)に対して長9度(9th)の音を追加したものがadd9コードです。
メジャーコード… Root+3rd+5th
add9コード… Root+3rd+5th+9th
詳しくは後術しますが、長2度と長9度はコード構成音としては同じ音名を指すので、この2つのコードは実質的には長3度を残したままにするか長3度を構成音から外すかの違いだと捉えられます。
例としてルート音をCとすると、
Root=ド
3rd=ミ
5th=ソ
2nd, 9th=レ
となり、Csus2とCadd9は以下のようなコード構成音になります。
C… ド、ミ、ソ
Csus2… ド、レ、ソ
Cadd9… ド、レ、ミ、ソ
add9コードの長3度が省略されると実質的にsus2コードとなるわけですが、コードネームとしては長3度が省略されているいないに関わらず便宜的にadd9を使用することが多いです。
(コード構成音がsus2コードでありながらadd9コードと表記されている場合は、長3度の有無を重視しないとも解釈できますし、実際にはそういったケースがほとんどです。)
■「2度」と「9度」の違いは?
「2度」と「9度」の指すところについて、改めて見つめ直してみましょう。
度数は音程(2音間の距離)を示したものです。長2度(2nd)と長9度(9th)は基準の音に対する距離は異なりますが、
長9度=長2度+1オクターブ
であるため、コード構成音の音名としては同じになります。(基準の音というのは、ここではコードの頭文字が示す音です。)
よって基本的にはコード構成音を考える上では2度と9度を区別する必要はありません。ただし、9度という場合は、コード構成音の中に、ルート音から長9度の間隔となる音が含まれているケースがほとんどです。すなわち、Cadd9を例にすると、ルート音「C(ド)」の音から1オクターブ以上間隔をあけた位置に「レ」(9th)が存在するのがしきたりといった感じがしますが、このあたりの厳密な定義が存在するかは不明です。
余談ですが、、、
9th、11th、13thはテンション音としてみなされます。テンション音はドミナントセブンスコードやマイナーセブンスコードに対して付加されるのが一般的ですが、このadd9コードはそれらのセブンス音が省略された形と捉えるのが良いかもしれません。
■代表的なsus2の形
sus2コードの押さえ方の例を挙げてみます。
上記の画像は一般的にAadd9と呼ばれているコードですが、3rdとなる音が省略されており、実質的にAsus2と呼べる形です。
上記の画像もまた同じようなケースです。一般的にDadd9と呼ばれているコードですが、3rdとなる音が省略されており、実質的にDsus2と呼べる形です。
前述した通り、どちらも慣習的にadd9コードとして表現される場合が多いです。