ここではダイアトニックコードではない、短3度をルートとするメジャーコード、♭Ⅲを扱います。
Cメジャーキーの場合は、E♭コードにあたります。
ダイアトニックコードではないため使用される頻度はやや低めですが、
セブンス(♭7th)が付加されて裏コード(サブスティチュートドミナント)として使われるなど、定番のパターンはいくつかあるので、それらを実例を挙げて紹介してみたいと思います。
■Em-E♭-Dm (Ⅲm-♭Ⅲ-Ⅱm)
Em→A7→Dmという部分的にツーファーブワンの形になった進行がよく使用されますが、そのA7の代理コードにあたるのがE♭7です。裏コードと呼ばれることもありますね。Dm(Ⅱm)への進行を促す機能を持っています。
(裏コードとしては、セブンス(♭7th)が付加された♭Ⅲ7という形の方が自然な形です。)
知っておくとプレーヤーとして一歩レベルアップできると思うので、是非おさえておきましょう。
GIFT/Mr.Children
出現箇所はAメロの後半部分です。
Key: Dメジャーキー
出現箇所: 0:12〜(歌詞:僕は探してた〜)
コード進行:
|Bm Bm/A|G#m7♭5 G|F#m F|Em Em/A|D…
上記の箇所はベース音が順に降りていく進行になっています。ここでのF(♭Ⅲ)は裏コード的な使用法のため、F7とするのがやや自然かもしれませんが、あまり大きな違いではありません。
ほら、笑ってる/SHISHAMO
出現箇所はサビの後半部分です。
Key: Eメジャーキー
出現箇所: 1:57〜(歌詞:でも悲しくなんてないよ〜)
コード進行:
|F#m B|G#m G|F#m G#m|Am Bm E|
SHISHAMOは「がたんごとん」「君との事」など多くの楽曲で同様のパターンを使用しており、SHISHAMOのコードワークの特徴の一つになっています。
■C-E♭-F (Ⅰ-♭Ⅲ-Ⅳ)
プレイングキーがCメジャーキーのときには使用されることはほとんどないので、C→E♭→Fとするとあまりピンとこないかもしれませんが、
プレイングキーがEメジャーキーのとき、あるいはバレエコードを多用する楽曲でよく用いられるパターンです。ちなみにプレイングキーがEメジャーキーの場合は「E→G→A」にあたりますね。
アメリカンロックやブルース系の楽曲では割とよく見かける進行になります。
Magical Mystery Tour/The Beatles
【YouTube】Magical Mystery Tour/The Beatles
出現箇所は冒頭のメロ部分です。
Key: Eメジャーキー
出現箇所: 0:09〜(歌詞:Roll up, roll up for〜)
コード進行:
|E|E|G|A|E|E|G|A|
定番の形ですね。このまま覚えておきましょう。
Are You Gonna Be My Girl/JET
【YouTube】Are You Gonna Be My Girl/JET
出現箇所はサビ部分です。
Key: Aメジャーキー
出現箇所: 1:01〜(歌詞:I could see〜)
コード進行:
|A|A|C|C|D|D|A|A|
JETは♭Ⅲや♭Ⅶコードを多用しており、非常に特徴的です。