ハーモニックリズムとは?〜コードの刻み間隔〜

ハーモニックリズムとは、和音の時間経過のことを指します。その名の通りに和音のリズムとも言え、「コードチェンジの間隔」と言うイメージで捉えても良いかもしれません。

例えば同じ尺の同じメロディであっても、コードを頻繁に変えるように演奏したり、1つのコードを長く保つように演奏したりすることができますが、これがハーモニックリズムの違いと言えます。ハーモニックリズムは楽曲の雰囲気を左右するファクターにもなります。

■和音の時間経過が長いときの印象

和音の時間経過が長くなり1コードを長く保つようになると、コードチェンジの頻度が少なくなります。そのときは、楽曲がゆるやかにに進行し、より自然な印象を受けやすくなります。一方、コードの変化を感じにくいため、インパクトのある華やかな展開にはしにくくなります。

■和音の時間経過が短いときの印象

音の時間経過が短くなり1コードが短くなると、コードチェンジの頻度が少なくなります。その場合、コードが次々に変化するため、ドラマチックな展開を作りやすくなります。

一方、少し慌ただしい印象になりがちです。特にギターで演奏する場合はコードチェンジの段差がメロディのスムーズな流れを妨げやすいので、注意が必要です。

■ハーモニックリズムの変化によるアクセント

ハーモニックリズムに変化をつけた曲の例を挙げてみます。

The Weight/The Band

【YouTube】The Weight/The Band

冒頭から1:00あたりまでの1コーラス目を見てみます。


Aメロ(0:10〜):

|A C#m|D A|A C#m|D A|
|A C#m|D A|A C#m|D A|…

Aメロは1コードを長く取っており、緩やかに進行します。


サビ(0:36〜):

|A E D   |A E D   |A E D   |D…

※コードチェンジのタイミングを表現するために意図的にスペースを空けて表記しています。

サビの直前に駆け上るような印象的な鍵盤のフレーズとドラムフィルインが入るのに加え、サビのA→E→Dの部分は1コードがAメロの半分の尺で進行し、全体として推進力を感じるようなサウンドになっているのがわかるかと思います。

また、コードチェンジが明確なため、よりコードの変化が強調され、サビでのインパクトにつながっているように感じますね。ハーモニックリズムの変化がひとつの味になっている例です。