五度圏表とは?メリットや使い方をわかりやすく!

本記事では、上記の「五度圏」と呼ばれる表のしくみや使い方、表を使ってどういうことができるようになるかなどを解説していきます。

長い記事となりますが、しっかりと理解したい方向けに、ポイントを一つずつ追っていきます。五度圏は理解できれば大きなメリットになるので、是非参考にしてみてください。

■五度圏がもたらすメリットとは?

五度圏の中身に触れる前に、そもそも五度圏を使うことでなにかできるようになるかを先に説明しておきます。

五度圏がもたらすメリットは、ズバリ、
楽譜(五線譜)から楽曲のキーを判別できることです。

五度圏はいろいろな活用の仕方がありますが、最大のメリットは上記の点ですね。このことを頭に置いておきましょう。

■調号について

次に、五度圏の話をする前に「調号」について軽く触れておきます。
調号とは五線譜のト音記号の隣に記載されている#(シャープ)や♭(フラット)のことです。
(下記記事にて解説しているのでご参考に!)

【参考記事】調号とは?【各キーの調号一覧表付き】

調号の付き方はキーによって決まっています。だから五線譜の調号の部分を見るだけで楽器のキーを判別することができるんですね。このしくみを理解しやすくしたものがこの五度圏になります。

■五度圏の成り立ち

では、五度圏の成り立ちを説明していきます。

まず時計の文字盤をイメージし、12時の位置にCを置きます。そこから時計回りに進むごとに完全5度の音を並べていきます。

Cの完全5度はG、Gの完全5度はD、といった具合です。
(ちなみに反時計回りに進むと、完全4度になります。)

これを繰り返し、1周するとCに戻ってきます。
次にCの内側にAmを置き、同じように時計回りに進むごとに完全5度の音を並べていきます。

こちらもこれを繰り返し、1周するとAmに戻ってきます。

これで五度圏の表が完成です。

のちに解説しますが、この外側の文字はメジャーキー内側の文字はマイナーキーを示しています。

■五度圏の使い方

では、ここから五度圏の使い方です。

楽曲のキーは、#が付くキーと♭が付くキーがあり、それぞれ#,♭の個数でキーが判別可能です。ここからはシャープ系のキーとフラット系のキーに分けて解説していきたいと思います。

シャープ系のキー

Cメジャーキーのとき、調号は#,♭ともに0個ですが、五度圏の表でC(Am)から時計回りに進むごとに#が1つずつ増えていきます。

例えば、五線譜上の調号が#が5つであれば、Bメジャーキー(またはG#マイナーキー)となるわけですね。

フラット系のキー

同様に、Cメジャーキーのとき、調号はありませんが、五度圏でC(Am)から反時計回りに進むごとに♭が1つずつ増えていきます。

例えば、五線譜上の調号が♭が5つであれば、D♭メジャーキー(またはB♭マイナーキー)となるわけですね。

調号の#の数を示した五度圏の表と比較するとわかりますが、
例えば、調号が#7つとなるキーと、♭5つとなるキーは異名同音のキーとなります。

調号は個数だけで判断していいの?

ここまでを読んで、

「#や♭の個数だけで判断していいの?」
「#や♭がどの音に付くかが重要なんじゃないの?」

と思われた方もいるかもしれませんが、

実は、調号はどの音に付くか順番が決まっていて、調号の個数だけでどの音に付いているかがわかるようになっています。

例えば、、
#が1つならファ、
#が2つならファとド、
#が3つならファとドとソ、
と、重ねるように増えていきます。

#が付く順番

#が付く順番は、以下のようになります。

F→C→G→D→A→E→B

あえてアルファベット表記にしてみましたが、Fから始まり、五度圏と同じように完全5度の音が順に連なっていきます。

♭が付く順番

♭が付く順番は、以下のようになります。

B→E→A→D→G→C→F

こちらはBから始まり、五度圏の反時計回りと同じように完全4度の音が順に連なっていきます。

また、#が付く順番と♭が付く順番は逆になっているのがわかると思います。

メジャーキーとマイナーキーの判別

五度圏を時計に見立てたときに同じ時刻の方向にある2つのキー同士は平行調の関係にあります。例えば、CメジャーキーとAマイナーキー、GメジャーキーとEマイナーキーなどですね。

これら平行調同士は調号が同じであるため、上記のように調号を使ったキーを判別する方法では、メジャーキーとマイナーキーの判別はできません。

例えば、調号は#が1つという場合は、
「GメジャーキーかEマイナーキーのどちらかである」ということになります。

■補足 〜Q&A〜

調号の#や♭は8個以上付かない?

調号の#や♭は最大7個が原則です。
幹音(ドレミファソラシ)は7つあるので、それらに1つずつ調号が付くのが最も調号の数が多いケースになります。

五線譜ではダブルシャープやダブルフラット(1つの音に2つの記号が付く)も認められていますが、調号では基本的にダブルシャープやダブルフラットの形はありません。

五度圏表を覚える必要はある?

五度圏の表を丸暗記するのも否定はしませんが、個人的には必ずしも図を覚える必要はないかなと思います。

五度圏のしくみを理解しておくことの方が重要だと思いますし、しくみを理解していれば表は書けますね。使っているうちに自然と覚えていくものだとも思います。

五度圏と転調の関係は?

時々「五度圏上で近い位置にあるキー同士は転調しやすい関係にある」と提言されているのを見かけることがありますが、個人的には賛否の気持ちが半々くらいです。

五度圏上で近い位置にあるキー同士は、スケール構成音が共通となるものが多いので転調しやすいというのは理にかなっていると思う一方で、

例えば五度圏で隣に位置する完全5度、完全4度への転調は、ポピュラー音楽においてそれほど多く出現していないというのが個人的な感覚です。(それより短3度への転調や長6度(短3度下)への転調の方がよく見かけるような気がします。)

■まとめ

以下、五度圏の要点のみを簡単にまとめてみました。
是非、ご参考に!

・五度圏の一番重要な活用方法は「楽譜(五線譜)からキーを判別する」こと。

・五度圏はCから順に完全五度をたどっていき、時計の文字盤のように円をつくったもの。

・五度圏はキーと調号の関係を読み取れる。

・調号の種類(#,♭)と数でキーは判別できる(2択に絞り込める)。

・ただしCメジャーキーとAマイナーキーのような平行調同士は調号が同じであるため、調号では判別できない。

・調号の付く音は順番が決まっていて、その順番は#と♭で逆。