ここではダイアトニックコードではない、長7度をルートとするメジャーコード、ⅦまたはⅦ7を扱います。
CメジャーキーにおけるⅦであるBコードは、構成音にD#(♯Ⅱ)やF#(♯Ⅳ)といった非ダイアトニックの音を含み、使用頻度は非常に低いです。
セブンスが付加されて、セカンダリードミナントとしての機能を持った形が主な使い方となります。いくつか使用例を紹介してみたいと思います。
■君をのせて/井上あずみ
映画「天空の城ラピュタ」でおなじみの人気ナンバー。冒頭のAメロで使用されています。
Key: E♭マイナーキー(G♭メジャーキー)
出現箇所: 0:15〜(歌詞:あの地平線〜)
コード進行:
| E♭m | B♭m | B | G♭ | A♭m | E♭m | F7 | B♭ |
上記のF7になります。(メジャーキーではⅦ7ですが、マイナーキーとするとⅡ7にあたりますね。)
次のコードへのセカンダリードミナントとして機能しています。
カポタストを4フレットとした場合は以下のようになります。
コード進行:
| Bm | F#m | G | D | Em | Bm | C#7 | F# |
■雪の華/中島美嘉
2003年にリリース、中島美嘉さんの10thシングル。使用箇所はBメロの後半部分です。
Key: G#マイナーキー(Bメジャーキー)
出現箇所: 1:16〜(歌詞:そろそろこの街に〜)
コード進行:
| Fm7♭5 A#7 | D#m7 G#aug | C#m7 | A#m7 D# |
カポタスト4フレットの場合は以下のようになります。
コード進行:
| C#m7♭5 F#7 | Bm7 Eaug | Am7 | F#m7 B |
こちらまた次のコードへのセカンダリードミナントとして機能しています。上記コード進行の最初の3つはマイナーキーのツーファイブワンの形になっており、転調しているかのような印象を受けます。
このBメロ後半部分はなかなかユニークな進行ですね。