ここでは、C-C7-F-Fmというコード進行について紹介します。度数表記では、Ⅰ-Ⅰ7-Ⅳ-Ⅳmですね。
ポップスの中では時折見かける進行で、パターンとしてある程度確立されている形です。また、類似系のような進行もいくつかあり、深掘りすると奥が深い進行でもあります。
テンポの速い曲よりも、ミドルテンポからスローテンポな曲との相性が良い印象です。
■ドミナントモーション
C7→Fは、C7がセカンダリードミナントとなるドミナントモーションを形成しており、C7がFへの進行を強く促しているのがこの進行の特徴の一つになっています。この進行が自然に感じられるのもこのドミナントモーションが効果的に働いていると思います。
【参考記事】ドミナントモーションとは?〜セブンスコードの基本進行〜
【参考記事】セカンダリードミナントコードとは?【特徴と使い方】
■コード構成音の変化
C→C7やF→Fmなどのように、コード構成音が1つ追加されたり、コード構成音が1つだけ変化するようなケースでは、その変化している部分に聴き手の意識が向きやすくなります。
ギター演奏においては、コード構成音が省略されるケースもありますが、一般的なコード構成音は以下のようになります。
C(ド,ミ,ソ)→C7(ド,ミ,ソ,シ♭)
F(ファ,ラ,ド)→Fm(ファ,ソ#,ド)
これらを踏まえて、C-C7-F-Fmの進行をトータルでみたときに、
C(ド)→C7(シ♭)→F(ラ)→Fm(ソ#)
という音の流れがやや強調されます。このケースでは特にシ♭→ラ→ソ#が半音刻みになっていて、クリシェに似た雰囲気をほのかに感じられます。
では、このコード進行の実際の使用例を紹介します!
■Desperado/Eagles
出現箇所はAメロ、以下のような進行です。
Key:Gメジャーキー
出現箇所:0:19〜(歌詞:Desperado〜)
コード進行:
|G G7|C Cm|G Em7|A7 D7|…
イーグルスの名曲バラード、曲を象徴するメロディにて使用されています。聴いての通りにイントロでも同じ進行が採用されています。
■されど愛しき人生/スキマスイッチ
出現箇所はAメロ、以下のような進行です。
Key:Eメジャーキー
出現箇所:0:20〜(歌詞:茜色の夕焼け空に〜)
コード進行:
|E E7|A Am|E C#m|A Am|…
ミドルテンポのナンバー。本コード進行との相性がいいテンポに感じます。