ここではダイアトニックコードではない、短7度をルートとするメジャーコード、♭Ⅶを扱います。
Cメジャーキーを例にすると、B♭コードになります。このコードのルート音はブルーノートと言われる音の一つで、ブルースやアメリカンロックの独特の雰囲気をアシストする特徴的な音になっています。
以下、実使用例を紹介してみたいと思います。
■CとB♭(Ⅰと♭Ⅶ)の2コードでの展開
♭Ⅶコードの使用パターンとしては、
「Ⅰ, ♭Ⅲ, ♭Ⅶ」の3コードで構成されるパターン、
「Ⅰ, Ⅳ, ♭Ⅶ」の3コードで構成されるパターンなどがありますが、
ここでは「Ⅰ, ♭Ⅶ」の2コードでセクションが構成されているシンプルなものを紹介してみます。
We Can Work it Out/The Beatles
【YouTube】We Can Work it Out/The Beatles
出現箇所は冒頭のメロディです。
Key: Dメジャーキー
出現箇所: 冒頭から
コード進行:
|D Dsus4 D|D Dsus4 D|C D|…
途中sus4の味付けが入っていますが、本質的にはⅠと♭Ⅶ、すなわちDとCの2コードですね。
Cocaine/Eric Clapton
冒頭のイントロから使用されています。
Key: Eメジャーキー
出現箇所: 冒頭から
コード進行:
|E D E|D|E D E|D|…
歌メロに入ってもそのままコードリフ的に同じ進行が使われています。この♭Ⅶコードがブルージーな雰囲気をアシストしているのがよくわかりますね。
■A♭-B♭-C (♭Ⅵ-♭Ⅶ-Ⅰ)
下記リンク先の、♭Ⅵコードの記事でも紹介している進行パターンになります。今回は別の楽曲を紹介してみたいと思います。
Million Films/コブクロ
Key: Dメジャーキー
出現箇所: 0:40〜(歌詞:信号待ち〜)
コード進行:
|D|Bm|F#m|Bm Am7|Em|A|D|B♭ C|D…
AメロとAメロの間のアクセントとして使用されていますが、このようにセクション間に挟む形は割と多く見られます。
ちなみにこの楽曲の再生時間1:52あたり、サビの前半と後半の間の部分でも同じ形で用いられています。