ギタリストなら耳にしたことがあるかと思いますが、パワーコードと呼ばれるコードがあります。コードの種類というより、パワーコードという奏法といっても良いかもしれません。ここではパワーコードって何?どう押さえるの?使い方は?に触れていきたいと思います。
■パワーコードの構成音
パワーコードの構成音は一言で言うと、1度と5度!
コードの基本である、メジャーコードとマイナーコードの構成音を以下の表にまとめてみました。
1,3,5度の音の中で、メジャーコードとマイナーコードの違いは3度の音になりますが、パワーコードではこの3度の音を省略するため、メジャーコードとマイナーコードの差がありません。例えばCとCmはパワーコードでは同じ押さえ方になります。
■パワーコードの押さえ方①
弦2本で弾くパターンの押さえ方。低い方の音は1度(ルート音)、高い方の音は5度の音になり、他の弦はミュートします。6弦ルートのパワーコードのコードダイヤグラム図は以下のようになります。
5弦ルートのパワーコードのコードダイヤグラム図は以下。
低音側は人差し指、高音側は薬指か小指で押さえます。高音側を薬指と小指のどちらを使うかはプレイヤーによってまちまちです。個人的には小指を使う方が他の弦のミュートが楽な気がしますが、どうでしょうか。
■パワーコードの押さえ方②
①の形に高い方の音を加え、弦3本で弾くパターンの押さえ方です。加えた1番高い音は、ルート音の1オクターブ上の音になるため、こちらも完全1度 +完全5度の和音になります。6弦ルートのパワーコードのコードダイヤグラム図は以下のようになります。
5弦ルートのパワーコードのコードダイヤグラム図は以下。
低音から順に、人差し指、薬指、小指で押さえます。
■パワーコードの響き・特徴・使用ジャンル
シンプルな音構成で低音弦のみを鳴らすので、より力強さを感じるような響きです。これがパワーコードと呼ばれる理由になっていると思われます。
実際に使用されるケースとしては、パンクロック系音楽での使用頻度が高く、オーバードライブやディストーション等の歪み(ひずみ)エフェクトをかけたエレキギターで弾く場合がほとんどです。アコギ演奏においてパワーコードが使われるケースは残念ながらほとんどありません。
■パワーコードの使用例 -楽曲紹介-
■Smells Like Teen Spirit/Nirvana
【YouTube】Smells Like Teen Spirit/Nirvana
ロックの名曲から一つ紹介。1曲を通してパワーコードを中心に展開されています。冒頭から始まる有名はフレーズのコード進行は以下のような感じ。弦3本形のパワーコードで弾いていると思われます。
Key: Fマイナーキー(A♭メジャーキー)
出現箇所: 冒頭から
コード進行:
|Fm B♭|A♭ D♭|Fm B♭|A♭ D♭|…
■小さな恋のうた/MONGOL800
こちらもまた1曲を通してパワーコードを中心に展開されています。冒頭のメロではブリッジミュートを混ぜたパターンで弾いています。冒頭のコード進行は以下のような感じ。こちらは弦2本形のパワーコードのようです。
Key: Bメジャーキー
出現箇所: 冒頭から
コード進行:
|B D#m|E B|E B|F# G#m|…
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