ここではダイアトニックコードではない、長7度をルートとするマイナーコード、Ⅶmを扱います。
Cメジャーキーにおいて長7度をルートとするダイアトニックコードは、Bm♭5(=Bdim)、あるいは、Bm7♭5になります。
それらと比較すると、Bmは構成音のF#(#Ⅳ)が非ダイアトニックとなり、使用される頻度は非常に低いです。
それゆえに、上手く使うことができれば楽曲にいいアクセントを与えられるようなコードでもあります。いくつか使用例を紹介してみたいと思います。
■Yesterday/The Beatles
【YouTube】Yesterday/The Beatles
ビートルズの有名ナンバーから。出現箇所は冒頭のメロディです。
Key: Fメジャーキー
出現箇所: 0:05〜(歌詞:Yesterday〜)
コード進行:
| F | F | Em7 | Am7 | Dm7 | Dm7 | Dm7 Dm7/C | B♭ |…
コード譜を見ると少し違和感を感じる進行ですが、Ⅶm7(ここでのEm7)が独特の雰囲気を与えていて、他のどの曲にも似ていない個性が楽曲に吹き込まれているように感じます。
■やさしさに包まれたなら/松任谷由実
松任谷由実さんの人気ナンバー。こちらも冒頭のAメロで使用されています。
Key: F#メジャーキー
出現箇所: 0:13〜(歌詞:小さい頃は〜)
コード進行:
| F# | G# | Fm7 A#m7 | D#m7 | B | G#m7 | C# | C# |
半音下げチューニングだと、以下のようになります。
(コードが少しスッキリしますね)
コード進行:
| G | A | F#m7 Bm7 | Em7 | C | Am7 | D | D |
Aメロ最初の4小節がなかなかユニークな進行ですが、びっくりするくらいにメロディは自然に聴けます。不思議。