「デッド」な音とはどういう意味?

音楽談義で時折聞かれる”デッドな音”という表現。今回はこの言葉の意味合いと、それに関する補足情報を簡単に述べていきたいと思います。

■「デッド」な音とは?

デッドな音とは、反響音(エコー)や残響音(リバーブ)のない音のことを指します。デッドは英語の「dead」に由来していますが、「(反響や残響が)効いていない」のようなニュアンスではないかと思います。

デッドというと、少しネガティブな響きですが、音の良し悪しとは関係なく使われることに注意が必要です。

■レコーディングは「デッド」な音で

一般的にレコーディングの際には、残響音、反響音がなるだけ入らないように、デッドな音で録るのが鉄則になっています。

録音の段階ですでに掛かっている残響や反響を後から取り除くことは至難の業ですし、録音後の後処理で残響、反響を足し、調整することはできます。また、デッドな音で録った方が、その他の各種エフェクトやイコライザ等の調整もしやすくなります。

■「デッド」な音の例

デッドな音(アイ/秦基博)

【YouTube】アイ/秦基博

秦基博さんの人気ナンバー「アイ」ですが、上記リンクはアコギ1本の弾き語りバージョンです。ボーカルに対するリバーブ系の処理がほとんどされていないデッドな雰囲気になっています。是非ヘッドホン等で聴いてみてください。

楽器の数も少なく、エフェクトにも頼らず、といったごまかしの効かない環境で勝負しているのは、音楽家としての潔さと誇りを感じますね。

デッドでない音(愛し君へ/森山直太朗)

【YouTube】愛し君へ/森山直太朗

一方、こちらはリバーブがしっかり効いたサウンドになっています。(森山直太朗さんはボーカルがデッド気味な作品も多々あります)

こちらも是非ヘッドホン等で聴き、違いを感じてみてください。