これからギターをはじめたいという方や、ギター初心者の方にとっては、どんなギターを購入すればよいか迷うと思います。
本記事では、あくまで初心者向けのギターの選び方について、独断でこだわって欲しいポイントとその理由を述べてみたいと思います。アコースティックギターとエレキギターで異なる点にも触れていきます。ぜひ参考にしてみてください。
■ギターを購入する前に
弾けるようになってから購入するという選択肢
まず、ギターを購入する前に述べておきたいことを綴ってみます。
予算は人それぞれだと思いますし、価格もピンキリではありますが、ギターは一般的には決して安い買い物ではありません。また「Fの壁」と言われるように、バレーコード(人差し指などを寝かせて複数弦を押さえるコード)がなかなか上手く押さえられずに挫折してしまう、という話をよく耳にします。ギターを買ってはみたけれど、上手くいかずに早々に挫折してしまった、となるとリスクが大きいです。
上記のような事情から、ギターをはじめる際には「まずは借り物のギターで練習して、ある程度弾けるようになってきてからマイギターを購入する」というのが最もおすすめです。ギターの基礎が身についてからマイギターを購入する方が、ギター選定の勘もやや研ぎ澄まされてくると思いますし、自分が重視すべきポイントが発見できる可能性もあります。
知り合いにギタープレイヤーがいる場合は、普段あまり使用していないギターなど、借りられるギターがないか相談してみましょう。その際は期限を設定するなど、トラブルが起きないように気をつけてください。笑
エレアコにすべきか?(アコギ選び)
アコギのみのポイントですが、
まず最初に言及しておきたい点として「エレアコにすべきか?」というポイントがあります。
アコギの中でもケーブルを繋いでアンプ等から音を出力することができるものをエレアコ(エレキアコースティックギター)と言い、そのアンプ等から出力する音を「ライン音」と言ったりします。
※くれぐれもエレアコはいわゆるエレキギターと同じようなものではないので注意してください。
筆者としては、人前やライブ等で使用する可能性がある場合は、エレアコタイプのものを選ぶのが無難かなと思います。ライブではライン音の方が出力が安定し、何かと使い勝手が良いためです。実際にアコギのライブ演奏を見るとライン音を使用しているケースばかりだと思います。
■初心者のギター選定のポイント
さて、ここからは初心者がギターを購入するという前提でポイントを述べていきたいと思います。
予算をかけにくい場合は、極力予算のかからないギターを選び、ギタースキルが軌道に乗ってからマイギターを選び直す、というのもアリだと思います。
以下は、1本目から良いギターを選びたい人用にポイントを述べていきます。
音色
エレキの場合
ギターは膨大な種類があるため、大まかに絞り込めるような指標があると良いのだと思いますが、まずエレキギターの場合は、予算が許すならばギターメーカーをFender(以下、フェンダー)かGibson(以下、ギブソン)に絞るのがおすすめです。エレキギターの音色の方向性は大きく分けると2つあり、それら2つの代表がフェンダーとギブソンと思って良いです。それぞれの特徴を簡単に記述すると以下のような感じ。
この2つの音色の差は、エフェクトやイコライジングではなかなか埋められないので、自分の好きなサウンドはどちらかをここで見極めましょう。難しい場合は、好きなアーティストと同じタイプにするのも一つの手です。試奏ができる場合は是非弾き比べてみましょう。その際、クリーンサウンド(エフェクトのない状態)と歪みサウンドを両方チェックしたい旨を店員さんに伝えると良いと思います。
ちなみにフェンダーやギブソンはそれぞれ廉価ブランドも出しており、フェンダーの廉価ブランドがSquier(以下、スクワイヤー)、ギブソンの廉価ブランドがEpiphone(以下、エピフォン)です。価格を少しでも抑えたい場合にはそちらも検討すると良いと思います。
アコギの場合
アコースティックギターの場合はメーカーの選択肢が多く、メーカーで絞るのがエレキギターより難しいです。そのため音色に関しては、できれば楽器店で試奏して確認することをお勧めします。
エレアコの場合は、生音とライン音を気にすることになりますが、個人的にはライン音の特色を重視すべしと感じます。前述した通りに、ライブではライン音を使うのが主流だからです。ライン音はアコギ用アンプ等で確認しましょう。
このライン音の特色もギターによってまちまちで、その差をイコライザー等でコントロールするのは至難の業なので、音色にこだわりがある人はしっかり選ぶことが大事です。こだわりの薄い人は、試奏した感覚で良い印象を持てるか、を確認しましょう。
どうしてもメーカーで絞りたい場合は、筆者は、Takamine(以下、タカミネ)、YAMAHA (以下、ヤマハ)、あたりをおすすめします。
タカミネは、独自開発のプリアンプシステムを使用しており、抜けのいい硬い音で、良質なエレアコといった感じです。手頃な価格から高級ラインまでの幅広いラインナップがあります。
ヤマハもまたハイモデルからローモデルまで幅広くカバーしており、信頼できる老舗楽器メーカーといった感じです。どちらもプロの間でも見かけるメーカーです。
見た目(外観)
「ギターは見た目が大事」と言われても全く響かないとは思いますが、筆者は見た目をぜひ重要視してほしいと考えています。
ギターの上達への秘訣として「毎日、なるべく長くギターを触ること」が大事です。そのためには「いつでも触りたくなるようなギター」を選ぶことが最重要と思っており、なるだけ愛着を持てるギターを選んで欲しいです。見た目にこだわって欲しいのはそういった理由です。
見た目の好みは人それぞれだと思うので深く言及はしませんが、ポイントを細分化すると、主には、
・色
・形
・表面の質感
などでしょうか。好きなアーティストがいる場合はそれに合わせるのも良いと思います。ボディの表面の質感は意外とギターの印象を左右します。
■まとめ
初心者のギター選定のポイントは、
「愛着が持てる、いつでも触りたくなるようなギター」であることが重要と思っています。
その上で選定のポイントとして、
・音色
・見た目
の2点に言及しました。
見た目はもちろんですが、音色もまた意外と愛着を左右する要因になるものです。これらを念頭に置いてギター選定の参考にしてみてください。
ギタースキルが上達した先で、次にギターを購入する際には、より自分のこだわりたいポイントにフォーカスした選択をしてみて欲しいと思います。