ここではⅡm→Vといういわゆるツーファイブのコード進行を利用した転調のパターンを紹介します。この転調は、唐突に転調先のⅡmのコードに飛ぶケースが多く、あざとくなくしなやかな印象を受けます。キーの移動先もいろんなパターンがあるので知っておいて損はない転調だと思います。
実使用例をいくつか紹介します。
■I Want To Hold Your Hand/The Beatles
ビートルズから1曲。
【YouTube】I Want To Hold Your Hand/The Beatles
サビから次のメロ(Bメロ?)に移るところで、GメジャーキーからCメジャーキーに転調しています。
●サビ(0:43あたり~)
Key: Gメジャーキー
コード進行:
|C D|G Em|C D|G|
●Bメロ(0:51あたり~)
Key: Cメジャーキー
コード進行:
|Dm|G|C|Am|Dm|G|C|D|D|D|D|
赤色部分が転調先のⅡm→Ⅴにあたります。BメロはコードがDに移ったところから元のGメジャーキーに戻っています。
■This Masquerade/The Carpenters
オリジナルはカーペンターズではないですが、カーペンターズver.で抜粋してみました。
【YouTube】This Masquerade/The Carpenters
Aメロからサビに入るところで、FマイナーキーからD♭メジャーキーに転調、さらにそのあとCメジャーキーに転調しています。ツーファイブを利用した転調が連続している形です。ツーファイブ系の転調はこのように連続して使用されるケースがたびたび見られます。
コードの簡易化のため、1カポでのプレイングコードで表記すると、以下のようになります。
●Aメロ(0:40あたり~)
Key: Fマイナーキー(A♭メジャーキー)
カポタスト:1フレット(プレイングキーEm(G))
コード進行:
|Em|EmM7|Em7|A7|C|B7|Em|Em|
●サビ前半(0:57あたり~)
Key: D♭メジャーキー
カポタスト:1フレット(プレイングキーC)
コード進行:
|Dm|G|C|Am|Dm|G|C|C|
●サビ中盤(1:14あたり~)
Key: Cメジャーキー
カポタスト:1フレット(プレイングキーB)
コード進行:
|C#m|F#|B|B|
赤色部分が転調先のⅡm→Ⅴにあたります。そのあともサビの中で転調が続きますが、こちらはツーファイブを利用した転調とは異なります。
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