ここではダイアトニックコードではない、長2度をルート音とするメジャーコードを扱います。すなわち、CメジャーキーにおけるDコードになります。セブンスが付加されて使用され、セカンダリードミナントとして機能しているケースも多くあります。
Dコードの構成音の中で、ファ# はCメジャースケール外の音になっており、この音が入っていることがこのコードの特徴になります。
使用パターンをいくつか紹介します。
■Am-D (Ⅵm-Ⅱ)
AmからDへ進行するケースです。度数表記ではⅥm→Ⅱですね。Dの後は、FやDmへと移るケースが多いです。
She Loves You/The Beatles
【YouTube】She Loves You/The Beatles
ビートルズから1曲。出現箇所は冒頭のメロです。
Key: Gメジャーキー
出現箇所: 冒頭から
コード進行:
|Em|Em|A|A|C|C|G|G|
という進行になっています。
僕が僕でなくても/田端悠
YouTubeの自分の曲から紹介します。出現箇所はサビの後半部分。1:32あたりから、歌詞が「生きる意味ひとつー」の部分。キーはEで、
Key: Eメジャーキー
出現箇所: 1:32〜(歌詞:生きる意味ひとつ〜)
コード進行:
|G#|C#m7 F#7|F#m7 B9|E …
コード進行(簡易版):
|G#|C#m F#|F#m B|E …
と弾いています。カポタスト4フレットで弾くと以下のようになります。
コード進行:
|E|Am7 D7|Dm7 G9|C …
コード進行(簡易版):
|E|Am D|Dm G|C …
■F-D-G (Ⅳ-Ⅱ-Ⅴ) [セカンダリードミナント]
続いては、FからDへ進行するケースです。度数表記ではⅣ→Ⅱですね。
Dの後はGへと移るケースが多く、ドミナントモーションと言われる進行になります。このときDはセカンダリードミナントという働きを担っています。
Dコードの構成音にはファ#が含まれ、F→D→Gの進行の中で、ファ→ファ#→ソの流れができます。F→Gの間のパッシングノート(経過音)として機能しています。そのため、ベース音をファ#として、D/F#という形で使用されるケースが非常に多いです。
君という名の翼/コブクロ
出現箇所は最後のサビの直前、Cメロです。3:44あたりから、歌詞が「今もまだ僕を振り向かせる度ー」の部分。この曲はDメジャーキーですが、このCメロ部分ではFメジャーキーに転調し、サビで再びDメジャーキーに戻ります。よって該当部分のキーはFメジャーキーになっています。
Key: Fメジャーキー
出現箇所: 3:44〜(歌詞:今もまだ僕を〜)
コード進行:
|B♭|G7|C|A7|…
コード進行(簡易版):
|B♭|G7|C|A7|…
このようなパターンは特に、サビの直前で使用されることが多いですね。コブクロの曲では「You」「太陽」「未来の帰り道」「願いの詩」などが同様にサビ前で使用されています。
■C-D (Ⅰ-Ⅱ)
度数表記ではⅠ→Ⅱですね。出現頻度はそれほど多くはないですが、紹介してみます。
Eight Days A Week/The Beatles
【YouTube】Eight Days A Week/The Beatles
イントロ部分もそうですが、歌の出だし部分で使用されています。
Key: Dメジャーキー
出現箇所: 冒頭から
コード進行:
|D|E|G|D|D|E|G|D|
という進行です。
やさしさに包まれたなら/荒井由実
【YouTube】やさしさに包まれたなら/荒井由実(カバー)
リンクはカバー曲ですが紹介してみます。出現箇所は歌の出だし部分となるAメロ頭です。
Key: G♭メジャーキー
出現箇所: 0:09〜(歌詞:小さい頃は〜)
コード進行:
|G♭|A♭|Fm7 B♭m7|E♭m7|
コード進行(簡易版):
|G♭|A♭|Fm B♭m|E♭m|
という進行です。カポタスト4フレットで演奏すると、
コード進行:
|D|E|C#m7 F#m7|Bm7|
コード進行(簡易版):
|D|E|C#m F#m|Bm|
となります。
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