ここではシックスナインスコードについて記述します。出現頻度は低めですが、1曲を通して定常的に使われるケースや、スポット的に使われるケースがあるので、それらを紹介してみます。
■シックスナインスコードの構成音
シックスナインスコードの構成音をC69を例に見てみます。C69の構成音は以下のようになります。
C69=(ド ミ ソ ラ レ)
ド=完全1度(ルート音)
ミ=長3度
ソ=完全5度
ラ=長6度
レ=長9度
メジャーコードに対して長6度と長9度の音を加えた構成ですが、ギターにおいては3度または5度の音の少なくともどちらかが省略されるケースがほとんどです。
■コード使用例① -Ⅰ69-
始発列車/ゆず
出現箇所は楽曲のフィニッシュ部分です。
Key: Fメジャーキー
出現箇所: 3:36〜(後奏)
カポタスト: 5フレット
コード進行:
|C |G|E|Am|F|G|A♭|B♭|C|C69…
ラスト1コードがシックスナインスコードになっており、余韻の残るような雰囲気のフィニッシュになっています。効果的な使用法です。
■コード使用例② -Ⅳ69-
鱗/秦基博
あらゆるセクションでⅣ69が使用されていますが、サビの例を取り上げてみます。
Key: F#メジャーキー
出現箇所: 1:30〜(歌詞:君に今〜)
カポタスト: 4フレット
コード進行:
|Dadd9|G69|A7 A#dim|Bm7|G69|F#m7|Em7|A7|
4度ルートの和音がほぼG69が採用されており、プレイングキーがDメジャーキーとなるときによく現れる使い方です。ここでのG69は、Dadd9/Gというニュアンスになっていることが特徴的で、それがDメジャーキーとⅣ69の相性が良い理由の一つと感じます。
Ⅳ69においては、6thの音、9thの音ともにメジャースケール内の音で構成されており、ナチュラルに響きやすいコードになっていますね。