今回の転調は、間奏に入るタイミングで転調するパターン。特に「ラストサビ直前の間奏で+3の転調」というケースが多く、次に続く終盤のサビへの助走として機能しています。
多くの楽曲で採用されており、比較的定番のパターンです。以下、実使用例をいくつか挙げてみるので、雰囲気を掴んでみてください。
■Any/Mr.Children
ミスチルのシングル曲から1曲紹介します。キーはB♭メジャーキー。コード簡易化のため1カポとすると、下記のような進行。
●サビ2周目(3:06あたりから)
Key: B♭メジャーキー
カポタスト: 1フレット(プレイングキーA)
コード進行:
|D|D/E|C#7|F#m|D|D|F|F|A|A|
●間奏(3:27あたりから)
Key: C#メジャーキー
カポタスト: 1フレット(プレイングキーC)
コード進行:
|F|F|C|C|G|G|Esus4 E|C#sus4|C#|
サビから間奏に入るタイミングで+3の転調をし、間奏の途中からキー戻して次のAメロに入ります。間奏が一つの盛り上がる山場になっています。
■糸/Bank Band
往年の名曲のBank Bandがカバーしているバージョン。Gメジャーキーです。コードは以下のような進行。
●サビ(2:53あたりから)
Key: Gメジャーキー
コード進行:
|G D|Em Em7|C G/B|A D D#dim|Em EmM7|Em7 C#m7♭5|C D|
●間奏(3:19あたりから)
Key: B♭メジャーキー
コード進行:
|E♭M7|B♭|E♭M7|D|Cm|B♭|Am|Dsus4|D|
中島みゆきさんのオリジナル版にはないアレンジです。サビから間奏に入るタイミングで+3の転調、間奏の終盤でうまく元のキーに戻って次のサビを迎えます。
ライブ映像ではサックスのソロが印象的に盛り上がりますが、音源作品ではやや浮遊感があり、ラストのサビへの布石を打つような雰囲気をつくっています。
■藍/スキマスイッチ
スキマスイッチの曲から1曲紹介します。A♭メジャーキーです。コード簡易化のため1カポとすると、下記のような進行。
●サビ2周目(2:21あたりから)
Key: A♭メジャーキー
カポタスト: 1フレット(プレイングキーG)
コード進行:
|C D|Em Bm|C D|
●間奏(2:31あたりから)
Key: B→A♭
カポタスト: 1フレット(プレイングキーB♭→G)
コード進行:
|E♭M7|E♭M7|Dm D|Em Em7|
青…Bメジャーキー
赤…A♭メジャーキー
サビから間奏に入る瞬間に+3の転調をしますが、一瞬で元のキーに戻り、次のBメロ後半のメロにつなげます。間奏に入ったところでそれまでの雰囲気から解き放たれたような雰囲気になっています。
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