この記事では、SONY(ソニー)社製モニターヘッドホンである、下記2機種を比較しながら特徴を見ていきたいと思います。
・MDR-CD900ST
・MDR-7506
【参考記事】モニターヘッドホンとは? 〜DTMerの必須アイテム!〜
ちなみに筆者はどちらも使用経験がありますが、現在はMDR-7506の方を好んで使用しています。
(本記事のMDR-7506の画像は、イヤーパッドが交換後のため純正ではありません。その上、使い込んでいるため少し傷等が目立ちます。申し訳ありません。。。)
モニターヘッドホンの購入を検討されている方は是非ご参考に!
■2機種の背景
MDR-CD900STはモニターヘッドホンとしては国内トップの支持を得ているモデルとなります。業界人はだいたいMDR-CD900STを使っている、と思って良いでしょう。
一方、MDR-7506は、MDR-CD900STの兄弟機的な位置付けにあります。価格はMDR-CD900STよりも安いです。海外ではMDR-7506の方が人気があると言われており、プロの現場でもたびたび見かけるようなモデルのようです。
■基本スペック表
基本的なスペックを表にしてみました。
以下、いくつかの重要なポイントをピックアップして、この2機種の比較していきます。
■見た目
モニターヘッドホンの見た目を気にされる方は少ないと思いますし、そこまで深く言及するポイントもないのですが、特徴としてヘッドホンの耳当て部にそれぞれ赤と青の帯が入っています。
MDR-CD900ST… 赤
MDR-7506… 青
対照的ですね。2つ並ぶとカッコ良さそうです。
■周波数特性
周波数特性は先ほどの基本スペックにも記載がありますが、以下のようになっています。
MDR-CD900ST… 5〜30,000Hz
MDR-7506… 10〜20,000Hz
周波数特性は表現できる周波数の範囲を示しているので、一般的には範囲が広い方が良さそうですが、しかし、一般的な人間の可聴域は20〜20,000Hzと言われているので、差はあまりないのだと思われます。
また、CD音質のサンプリングレートは44.1kHzであり、これはその半分である22.05kHz(約20,000Hz)までの音を再現できることを意味しています。(というより本来は、人間の可聴域に合わせたサンプリングレートとしている、といった感じですね。)
なので、この観点からも、20,000Hzを超える部分は実質的に差はないと考えてよいでしょう。
ただし、可聴域を超えた「超音波」と呼ばれる部分が聴く人の情緒や感性に大きく作用する、という話も耳にしたことがあるので、なんとも言えないところですが。笑
■ケーブル
コード形状
ヘッドホンのケーブル部分ですが、こちらは対照的な作りになっています。
MDR-CD900ST… ストレートコード
MDR-7506… カールコード
カールコードはこんな感じ。
カールコードは馴染みのない方も多いと思いますが、特徴としては、ゴムのように伸び縮みする点です。始めは少し違和感を感じるかもしれません。
カールコードの利点として、伸び縮みするため、なにかにケーブルが引っかかってしまったときに、ケーブルに負担がかかりにくい、というのはあるかもしれません。
個人的にはカールコードは割と好きなのですが、個人の好みによるところですね。
ジャック部分
ジャック部分にも少し違いがあります。
MDR-CD900ST… ステレオ標準プラグ
MDR-7506… ステレオミニプラグ(付属品にて標準プラグへの変換可)
MDR-CD900STは一般的なギターシールドと同じ規格ですね。
MDR-7506はいわゆるイヤホン端子ですが、端子の変換部品が付属品としてついおり、ギターシールド規格に変換することができます。
上の画像が付属品の端子変換アダプタ。
下の画像のように取付けられます。
ネジ式になっているんですが、他のイヤホン等にも使用可能です。
■音質
モニターヘッドホンなので音の部分が最も重要な項目かと思いますが、同じモニターヘッドホンという位置付けであっても、結構特色に違いがあるなという印象を受けました。
比較した印象を端的に一言で表現すると以下のような感じ。
MDR-CD900ST… 鋭くメリハリのある印象。
MDR-7506… 柔らかくマイルドな印象。
個人的には、MDR-CD900STの方は少しハイが強すぎるかなという感想を持ちました。(もちろんこの音が原音を忠実に再現しているのだと言われたらなにも言えないのですが。笑)
モニターヘッドホンは用途上、長時間集中した状態で使用するケースが多いかと思いますが、MDR-CD900STは少し疲れやすいかもしれません。逆に、強くハリのあるサウンドが好みの方はMDR-CD900ST向きかなと思います。
一方、MDR-7506の方は温かみがあり、リスニング用としてもおすすめできます。
■装着感
ヘッドバンドの調節
どちらもヘッドバンドの長さを調節できるようになっています。
側圧(耳のホールド感)
側圧に関しては初期品同士、耐久使用品同士で比較すべきところですが、
記憶の中では、MDR-CD900STの方が圧が優しく、MDR-7506の方がややホールド感がしっかりめ、という印象です。
■その他
折りたたみ式
MDR-7506はイヤーカップの部分がベッドバンド内に折り込めるような構造になっています。
折りたたみ前。
折りたたみ後は下のような感じ。
MDR-7506にはキャリングポーチが付属品として付いていますが、ポーチに入れる際はこのように折りたたんで入れることになります。
■どんな人におすすめ?
ここまでMDR-CD900STとMDR-7506を比較してきましたが、それぞれ下記のような方におすすめです。
MDR-CD900STをおすすめするのはこんな方!
・より定番とされるモデルを使いたい!
・ハリのあるサウンドが好き!
MDR-CD900STの最大の特徴はやはり国内トップの定番モデルとされているブランド力ですね。前述しましたが、音色に好みがあろうがなかろうが「MDR-CD900ST」が原音に近いのだと言われたら、それを信用するしかないですね。笑
業界で定番となっているモデルを使用すること自体に大きな意味があるように感じるので、そういった背景を重視したい方はMDR-CD900ST向き!
MDR-7506をおすすめするのはこんな方!
・普段使いも兼ねて使用したい!
・柔らかく温かみのあるサウンドが好き!
筆者としては、音色、カールコード、装着感、あらゆる点でMDR-7506の方を好んでいることが理由で、現在はこちらを使用しています。音色としても、MDR-7506の方が割と広く受け入れられやすいのではないかなと思っています。
価格もMDR-CD900STの方が安めなので、コスパの面でも非常におすすめできます!