微分音とは? 〜半音より小さな世界〜

■微分音とは?

微分音とは、半音よりも小さい音程(音高の間隔)を指します。

ここでの微分とは、数学の分野の「微分積分」の微分の意味とはやや異なり、単に細かく分けるというようなニュアンスでしょう。

五線譜等で示されるような一般的な音楽は、その大半が半音刻みで音が定義されます。ですが、0と1のあいだに数字が無限にあるように、実際には音の高さは無限に存在します。つまり例えば「ド」と「ド#」のあいだにもいくつも音の高さが存在します。

ギターで半音下げチューニングをするような場合、ノーマルチューニングの状態から音を下げる方向にペグを回していくとなめらかに音の高さが変わります。この変化を聴いていると、半音のあいだにも無数に音の高さが存在することは明白に感じられると思います。

■半音より小さい音程の世界

楽器の構造

ピアノのような鍵盤楽器では鍵盤一つひとつに決まった音高が割り当てられていて、完全に半音刻みで音が鳴る構造になっています。ギターも基本的には同じですが、ギターではチョーキングなどを用いることで、その半音のあいだの音を表現できますし、実際にタブ譜(ギター特有の譜面)ではそういう音を弾く指示がなされる場合もあります。

特殊な音律

前述した通りに、一般的な音楽の世界では平均律を代表とする12音を1周期とした音律が基本ですが、歴史を遡ったり、世の中のあちこちを探ると、12音よりも刻み数の多い音律が存在します。一例としては53平均律がそれにあたり、こういった世界では微分音が土台となっている世界です。逆に一般的な音楽の世界、すなわち121周期の音律が土台となる世界では、演奏する上で微分音に触れるケースはほとんどないと言えます。