■モードって何?
モードとは、メジャースケールやマイナースケールとは異なる特殊な派生スケールのことを指します。
モードは和名では旋法と呼ばれ、本来は旋律(メロディ)設計の方針を示すものであり、厳密にはスケールとは異なります。ただし実使用上はモードに従う音の集合をスケールとして表記することが多いため、モードは慣習的に派生スケールというようなニュアンスで使われています。そのモードに準じたスケールをモードスケールと言ったりします。
またメジャースケールから派生したスケールのことをチャーチモードと言います。一般的にモードというとこのチャーチモードのことを指します。このチャーチモードは和名で教会旋法と呼ばれ、以下の7種類になります。
■チャーチモード一覧
イオニアン(アイオニアン)
ドリアン
フリジアン
リディアン
ミクソリディアン
エオリアン
ロクリアン
■モードスケールの覚え方
メジャースケールは主音を基準に、
全音、全音、半音、全音、全音、全音、半音、という音程で構成されていますが、
その他の各チャーチモードでは、この全音と半音の配列を平行移動するようにズラした構成になっています。各チャーチモードの音構成の例は以下の通り。
上記表の各モード代表例は、どれも#や♭がなく、すべて構成音が等しくなっており、そうした場合、上から順に主音がCDEFGAB(ドレミファソラシ)となっています。メジャースケールの完全1度以外の音を始点にした場合のスケールが、チャーチモードだということですね。
理論書や音楽の情報サイトで、ドリアンスケールの例としてDドリアンが扱われることが多いですが、Dドリアンの構成音に#や♭がなく簡潔で覚えやすいというメリットがあります。
また表に記載の通り、
イオニアン=メジャースケール
エオリアン=マイナースケール
となっていることも覚えておきましょう。
■始点をCとした各チャーチモード
参考として、始点がCの場合のチャーチモード構成音をまとめておきます。
■メジャーモードとマイナーモード
7つのモードはメジャーモードとマイナーモードに分けられます。モードスケールの3度の音が長3度の場合はメジャーモード、短3度の場合はマイナーモードになります。
つまり先ほど説明したCを主音(完全1度)とした場合のモードスケールに、E(長3度)が入るのがメジャーモード、E♭(短3度)が入るのがマイナーモードになりますね。分類すると以下のようになります。
◆メジャーモード
・イオニアン(メジャースケール)
・リディアン
・ミクソリディアン
◆マイナーモード
・ドリアン
・フリジアン
・エオリアン(マイナースケール)
・ロクリアン
上記を踏まえて、各モードスケールの構成音の度数をまとめると以下のようになります。メジャースケール、マイナースケールを基準に覚えておくと便利です。
■モードスケールの使い方
モードスケールはジャズギターの弾く上では、割と基本的なスタイルとして使用されます。詳しくは以下の記事をご覧になってみてください。
モードスケールの使用法は多岐に渡りますが、最も基本的な使い方は、伴奏のコードに対応したモードを使用するという方法です。伴奏のコードによって使用するモードスケールを切り替えるということですね。
各ダイアトニックコードと対応したモードの一覧が以下のようになります。
一例としてCメジャーキーの場合は以下のようになります。
この7つのモードはすべて同じ構成音になっており、実質的にはどれもCメジャースケール(Cイオニアン)を弾くことと同じです。
しかし、モードスケールの応用的な使用法の中では、各モードスケールを別々に認識し、個別に出し入れするスキルが求められます。例えば、CメジャースケールもDドリアンスケールもスケール構成音は同じだけれども、弾き手がどういう意識で弾いているかが重要なるわけですね。
特にジャズギターの習得を目指す方は、各モードスケールを個別に身につけることをおすすめします。