ここではクリシェ進行の一つである、C-CM7-C7という進行についてです。度数表記では、Ⅰ–ⅠM7-Ⅰ7ですね。
この進行においてクリシェで動かしている音に着目すると、C(ド)→CM7(シ)→C7(シ♭)、となっており、これに続くコードはその流れを受けてC6、A7、Fのように「ラ(長6度)」の音を含むコードが並ぶケースが多いです。
実使用例としては、C-CM7-C7-A7(Ⅰ–ⅠM7-Ⅰ7-Ⅵ7)というパターンが最もよく見られます。クリシェ進行について説明した記事では、C-CM7-C7-C6というパターンを例として扱いました。
しかし実際にはC6まで落ちるパターンはそれほど現れません。
また、このコード進行パターンはこの4つにとどまらず、この後に続いて、クリシェが2,3回繰り返されるケースがよく出てきます。これは下記の記事に詳しく書いているので、ご覧になってみてください。
■ベースクリシェ的な使用
このコード進行の中で変化している音をベース音として使用されるケースがあります。つまりは、C-CM7-C7(Ⅰ–ⅠM7-Ⅰ7)に対して、ベースをC→B→B♭(Ⅰ→Ⅶ→♭Ⅶ)と動かすということになります。
このようにベースが、Ⅰ→Ⅶ→♭Ⅶと変化する進行は、Ⅰ–ⅠM7-Ⅰ7進行の類似系と呼んでも良いかもしれません。
この進行の実使用例を紹介します。
■Something/The Beatles
【YouTube】Something/The Beatles
出現箇所は冒頭のメロディ、以下のような進行です。
Key: Cメジャーキー
出現箇所: 0:05〜(歌詞:Something〜)
コード進行:
|C|CM7|C7|F|D7|G|…
前述の通り、4コード目のFは長6度の音を含むコードになっています。
■LOVE LOVE LOVE/DREAMS COME TRUE
【YouTube】LOVE LOVE LOVE/DREAMS COME TRUE
出現箇所は冒頭のメロ、0:34あたりから。キーはC#で、以下のような進行です。コード簡略化のため1カポとすると、
Key: C#メジャーキー
出現箇所: 0:34〜(歌詞:ねぇどうして〜)
コード進行:
|C# C#M7|C#7 A#7|D#m D#mM7|D#m7 F7|A#m…
カポタストを1フレットとすると、
コード進行:
|C CM7|C7 A7|Dm DmM7|Dm7 E7|Am…
ちなみに5コード目以降、クリシェが繰り返されるパターンです。また1:26あたりから始まる同様の進行の部分を聴くと、ベースはクリシェの変化音になっていることがわかるかと思います。
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