ここではダイアトニックコードではない、短2度をルートとするメジャーコード、♭Ⅱを扱います。
Cメジャーキーを例にすると、D♭コードになります。
このコードにセブンス(♭7th)が付加された♭Ⅱ7コードは、V7コードの代理コードとして知られています。英語ではサブスティチュートドミナントと言い、裏コードなどという名前で知られていたりもします。
以下、使用例を紹介してみたいと思います。
■Finally/TRICERATOPS
出現箇所はサビの締めの部分です。サビの後半部分から見てみましょう。
Key: Bメジャーキー
出現箇所: 1:44〜(歌詞:最後に僕が辿り着く〜)
コード進行:
|B F#/A#|G#m F#m7 B7|E B|C#m7 F#|C#m7 CM7|B…
カポタストを2フレットにすると、以下のようになります。
コード進行:
|A E/G#|F#m Em7 A7|D A|Bm7 E|Bm7 B♭M7|A…
ちなみに、映像では半音下げチューニングで以下のように弾いています。
コード進行:
|C G/B|Am Gm7 C7|F C|Dm7 G|Dm7 D♭M7|C…
サビの締めの進行は、Ⅱm7→♭ⅡM7→Ⅰ となっています。
本来の代理コードのコードタイプはドミナントセブンスコード(◯7)ですが、ここではメジャーセブンスコード(◯M7)になっていますね。
メジャーセブンスコードになることで、
Ⅱm7→♭ⅡM7という進行の中で、♭ⅡM7のM7の音が持続音になり、コード進行の流れがややスムーズになる特徴があります。この持続音のことをペダルポイントと呼びます。
以下は個人の見解ですが、現代音楽ではペダルポイントを活用しコードチェンジをスムーズに繋ぐことに積極的な印象があります。上記例の進行は♭Ⅱ7(裏コード)を使うパターンが派生したものと捉えられるかもしれません。