この記事では音楽用語の「倍音」について、簡単に説明していきたいと思いますが、倍音を語る前に、音の高さと周波数の関係を知っておく必要があります。
以下の記事でも言及していますが、音の高さはその音の周波数によって決まり、周波数が大きいほど音が高くなります。
【記事】音の高さと周波数 〜基準は440Hz?442Hz?〜
■倍音の原理
所定の周波数の音を鳴らしたとき、同時に元の周波数の整数倍の音が同時に鳴る現象が起こります。
例えば、100Hzの音を鳴らしたとき、200Hz、300Hz、400Hz…という音が小さく同時に鳴るということですね。元の周波数の音を基音と呼び、その周波数の整数倍の周波数を持つ音を倍音と言います。
倍音がある程度含まれていても、倍音に比べて基音の成分が強く鳴るため、人間には基音(ここでの100Hz)の音高として認識されます。
倍音の出方は、楽器の種類や弾き方等によっても変わります。違う楽器で同じ高さの音を弾いたとき、違う音に聴こえるのはこの倍音が大きな要因になっています。
■倍音とハーモニクス
ギターにはハーモニクスという奏法がありますが、開放弦の音を基音とすると、ハーモニクスの音は倍音にあたります。ハーモニクスは倍音を意図的に鳴らしているとも言えるかもしれません。
ハーモニクスは一般的に、12フレット、7フレット、5フレット等に触れて鳴らしますが、これらは弦の長さをそれぞれ2等分、3等分、4等分する位置にあたり、2倍振動、3倍振動、4倍振動といった開放弦の周波数が整数倍になる音をつくります。