今回紹介するのは、ラスサビ(終盤のサビ)のアレンジ!
1曲を通してサビは何度か繰り返されるケースが多いですが、ラスサビ(終盤のサビ)のベースやコード進行に味付けしてフィナーレを演出するパターンですね。
具体的には、ラスサビでは通常サビと異なり、ベースが下からせり上がってくるようなコードワークパターンがよく使われます。特に、通常サビの頭がⅠ(トニックコード)のとき、ラスサビではベースをⅢとし、そこからⅣへ進行するパターンが多いように思います。
言葉ではわかりにくいですが、以下、実使用例を挙げてみます。
■愛をこめて花束を/Superfly
通常サビとラスサビの比較ですが、この曲は途中で転調しているので、転調後(Aメジャーキー)同士で比べてみます。ベースに注目して聴いてみましょう。
■通常サビ
Key: Aメジャーキー
該当箇所: 3:56〜(歌詞:愛を込めて〜)
コード進行(簡易版):
|A E|F#m C#m|…
ベース進行(簡易版):
|A G#|F# C#|…
Ⅰ→Ⅶ→Ⅵとベースが下がっていく、カノン進行の典型的なパターンです。
■ラスサビ
Key: Aメジャーキー
該当箇所: 4:08〜(歌詞:今だけすべて〜)
コード進行(簡易版):
|A D|E C#7|…
ベース進行(簡易版):
|C# D|E C# F|…
通常サビと同じメロディですが、Ⅲ→Ⅳ→Ⅴとベースが上がっていき、フィナーレ感を強く演出します。
■正しい街/椎名林檎
こちらもベースに注目して聴いてみましょう。
■通常サビ
Key: Eメジャーキー
該当箇所: 3:20〜(歌詞:忠告はすべて〜)
コード進行(簡易版):
|E G#|C#m Bm|A…
ベース進行(簡易版):
|E G#|C# B|A…
■ラスサビ
Key: Eメジャーキー
該当箇所: 3:30〜(歌詞:あの日飛び出した〜)
コード進行(簡易版):
|E G#|C#m Bm|A…
ベース進行(簡易版):
|B C|C# D|A…
通常サビと同じメロディですが、V→#V→Ⅵ→♭Ⅶとベースが半音ずつ上がっていき、フィナーレ感を強く演出します。
通常サビの頭はⅠ(トニックコード)ですが、ラスサビの頭はⅤから入ります。しかもその直前のコードもⅤなので、前の小節のVを引っ張っている形です。レアケースな上に、アイデアが浮かんだとしてもやりにくい攻めのアレンジだと思います。Ⅴを選択することで、後続の進行でベースをⅤ→#Ⅴ→Ⅵとでき、せり上がる雰囲気をつくることができます。
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